『 日日是好日「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』 読書感想文
『日日是好日「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』/森下典子著 を読みました。
とっても清々しい気持ちにさせてくれる本でした。
以下、感想文です。
大学生の頃、たまたま近所のお茶の先生と出会い、茶道を習い始めた著者。
先生が直接的に教えてくれるのは、いつまでたっても茶道の作法だけであり、その作法の背景、理由などは、質問しても一切教えてくれません。
でも、毎週毎週、作法を繰り返すことで自然とわかるものがある。見えてくるものがある。
そんな気づきが15章にわたって記された本です。
茶道の知識が全くない私には、どの内容も興味深いものばかりでした。
懐石料理が元々はお茶を楽しむための助走的なものであるとか、季節によってお手前の方法が変わるとか、つくばいの水を多めにしてせせらぎを演出するとか、目からウロコ的内容がもりだくさんです。
そして、全体を通して思ったことは、”人は頭で考えることをやめるべきときも必要だ”、ということ。
毎週繰り返されるお稽古では、ひたすら手を動かす。
先生からは「頭で考えない」ように言われ、戸惑いつつも、続けるうちに手が勝手に動くようになる。
無の状態となり、五感から感じるものが増えていく。
実際に感じることで、自ら気づき、理解していく。
五感が研ぎ澄まされ、これまで見えなかった日常生活の何気ない季節の変化や天気の変化を感じることができるようになる。
人にものを教えるとき、ついつい事細かに解説したくなってしまうものですが、じっくりと気づきを促し続ける先生は本当にすばらしいと思います。
このような経験をなされた著者がうらやましいです。
そして、この本のタイトル「日日是好日(にちにちこれこうじつ)」ですが、先生の家につねに掲げられている額で「毎日がいい日」という意味。
五感が研ぎ澄まされた著者は、やがて「人間はどんな日だって楽しむことができる。そして人間は、そのことに気づく絶好のチャンスの連続の中で生きている。」ことを実感するようになります。
論理的思考や客観性が求められることが多く、いつの間にか、何事も頭で考える癖がついてしまっているように感じます。
時には、”まずはやってみる” そして ”感じたことを素直に受け入れる" を実行してみようと思いました。
私も五感を研ぎ澄ませたい。
清らかな気持ちになれる本と出会えてよかったです。
映画も見てみよう。
今後もゆるゆると読書感想文を書いていこうと思っています。
よろしくお願いします。
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